対話

「(ため息)」
「よ、どしたー?」
「んー。」
「む、まーた悩んでるのね。別に良いけど。minix のヤツどこまで読めた?」
「『別に良いけど』って言われるとちょっと寂しいね。言われる側になって初めて気がついた。」
「あはは、それは良かった。言うこと減るかもね。」
「2章にちょっと入ったところ。以前と比べると理解度が結構違うよ。本、色々読んだ方が良いんだろうね。良い本にしろ悪い本にしろ。」
「おお。ようやく通読できそうなノリかな?読めたらさっさと図書館に寄贈しよー。読みたい本たまってるっしょ。」
「だめ。集中力切れた。読む気はあるけど、興味が別のものに行っている。」
「あら、そっか。じゃあ読み終わるのももう少し先の話でしょ。そう悩みなさんな。悩んでも知識は入ってこないんだし。」
「わかってる。そういう話じゃない。…例えば、今回は COM に興味を持った。SICP も再挑戦したい。それらは全くの未知の分野だし、その他にもネットワークとか RDB とか全く知らない分野が多数ある。」
「そりゃね。」
「興味を持ったから本を読む。でもその知識はどうせほとんど使うことのないものになると思う。少なくとも仕事では。」
「意外とどこかで役に立つかもよー」
「その考え方もわかる。知識はパソコン関係でないにしろ日常生活のちょっとしたことで役に立ったりする。だからどうせ知識を得るなら、自分の興味のある方向、楽しいと思える方向であるパソコン関係の本を読んでる。」
「勉強熱心なことで。」
「その相槌嫌い…。何の話だっけ?」
「本を読むのに意味は感じないけど楽しいんだしとりあえず読んでる、って言ってるのかな。」
「んー…そう。脱線してるかも。最近プログラミングってことをしてないから、本当に俺はプログラミングが好きなの?って思った。書きたいものは特に無い。今あるフリーソフトで満足はしているし、ちょっとしたバッチファイル、マクロを書けばほとんど問題は解決できるから。」
「書いてるじゃん。」
「あーいうのプログラミングって言わないと思う。どちらかというとフリーソフトを使うのの延長戦上だよ。正規表現とかだってある種プログラミングだと思う。でもプログラミングって言わないし、それは正しいと思う。」
「そのお話は前に結論出たね。どこまでをプログラミングというか、なんてナンセンス。バッチファイルだって make ファイルだって hsp だって、SGML だって?立派なプログラミングさー。要するに、自分の満足できるようなものが書けない、ってことだよね?確か昔は python でちょっとしたバッチファイルっぽいもの書いて満足してたしね。」
「…うん、そう。得始めたばっかりのもので、現状の自分に足りないものが欲しいのね。で、現状が満ち足りてるならゲームでも書けば良いやって思ったけど、特に作りたいゲームは思い浮かばない。ゲーム作りなら FLASH とか使った方がよっぽど生産性高いけど、FLASHじゃやっぱりプログラミングとは思えない。」
「(苦笑)むう、COM とか ATL やら .NET やらを激しく活用しつつ、自分に必要だと思えるツールだったりゲームだったりが思い浮かべば良いのか君わ。ってまあそういうことなんだろうけど。またネットで趣味なプログラミングをバリバリしてる人たちとか見て凹んでるっていうパターン?しゃーないよ。としか言いようがない、すまんが。色んな本を読んで色んな考え方、技術を知ったらもっと便利な環境を求めたくなるかもしれないし、そのために本読むんだと思うよ。作りたいものを作りながら、尚且つ正しい考え方、知識を築き上げていく、っていうのは理想かもしれないけど、その環境には恵まれなかったんよ。残念ながら。すごい知識、考え方を知っても感動を分かち合える人は居ない。何かをお勧めしてくれる人も、お勧めする相手も居ない。それは自分の行動力の狭さだったり、人付き合いの悪さのせいだったりもするかもしれないけど、それはそれで自分の選んだ道だよ。」
「んー」
「なんじゃい」
「ありがとう」
「どういたしまして」